正義感溢れる野良猫と

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「で、」
「ん?」
「その赤ん坊は?」

ふと気になったことを聞いてみた。

「うちの弟やねん。遥人、1歳3ヶ月。母親からの最後のプレゼント」
「母親?」
「まぁ父親がちゃうくて…うち見た目通りハーフやねん。元ビーチバレー選手。

んで再婚したけど離婚した時には遥人はお腹におって、難産で死んでしもたけど、遥人は残してくれてん」

花の高校生、遊びたい年頃であるはずが愛おしそうに大切に抱きしめる、まるで我が子のように。

「すげーな、颯。今日初めてあったけど、尊敬するわ」
「よーわからんけど…明日からよろしくね!てっちゃん」
「こちらこそ」

知り合ってまもなくして打ち解けた黒尾と颯はLINEを交換すると帰路に着いた。
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