青春☆広い世界へ

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カラッと晴れた運動するにふさわしい天候となった体育祭当日。

「…この服装は聞いてへん」
「あら、かっこいいわよ?」

黒服組は戦闘服のような格好をしており、白服組は袴を着用していた。
動きやすさはありそうだが、慣れていないと大変そうな格好であることは間違いがない。しかも、何故かさゆな、利夏、亜奈の3人、他のチラホラと数人の左頬に桔梗の花が描かれたのだ。

「ここどこや?」
「猛虎学園ね」
「何しに来たんやった?」
「体育祭に決まってるじゃない」
「この頬も意味わからん落書きされたし」

盛大にため息をついていたさゆな。

「親切でそのペイントオーダーしてあげたのになんなの?その言い草は」

と両頬を膨らませる。

「なんか意味あるん??」
「あらあら、逃げずに来ていただき光栄ですわ」

その声に2人とも眉間に皺を寄せ背後を見れば茉莉が色の違う袴を履いてお供を連れて立っていた。

「あらぁ、わざわざ足運んでいただいてありがとうございますぅ、相変わらず顔隠してはるんですねぇ」
「運動神経だけで生きている方に言われたくありませんわ」
「わざわざ調べていただいたんですねぇ、あんたのことこれっぽっちも興味無いんで調べんの忘れてましたわぁ。すんませんねぇ」

さゆなの笑顔に茉莉の扇子を持っていた手がピシッと音を立てる。

「やっ、やめなさい………さゆな…ぶっ」

雷菜は静止を促すものの肩が滅茶苦茶震えている。

「せいぜい笑っていられるのも今のうちよ。今回は政春と信勝がいるんだから」

そういうとそのまま戻って行った茉莉にさゆなは「へ〜」という言葉を吐く。

「興味無さそー」
「興味湧く方がおかしいやろ」
「さゆな、そういえば何に出るの?」
「棒倒しと騎馬戦と黒服対抗戦」
「あ〜祭り系ね」
「大将に選ばれてん」

そう言って親指を掲げるさゆな。

「雷菜は?」
「障害物と借り物競争とリレー全般かな」
「玉入れとか言われんで良かったー」
「やりたかったけど断られた」
「こっちの命が危ないから」

そう、雷菜は投てき系はいわばノーコンなのだ。梨絵のようにただ外すだけなら問題ないのだが、味方目掛けて投げてくるのである。
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