青春☆広い世界へ

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他の雷菜たちが試験中のため、全員耳にイヤホンを入れて遥の声が流れていた。

“今回はね、テストってこともあるけど採点する僕たちがA、Bチームの見分けがつかないこともあり、特別仕様となっております!”

「テンション高いね、相変わらず」
「ちょっと鬱陶しい」

明らかに暇そうな生徒たちに対し、耳元でテンションを挙げるかのように音楽が流れる。

“なんと!泥棒に選ばれたBチームには!
体操服の上から浴衣を着てもらってまーす!
帯がひらひらするから警察のAチームには見つかりやすいから気をつけてねー!
因みにAチームは制服に制帽でーす”

ちょっとテンションの高さに飽きてきたさゆなは片方の耳からイヤホンを一瞬はずす。

「さゆな・・・」
「ん?なんや、そんなへこんだ顔して」
「捕まったらごめんね」
「まかせろ!
ここで勝てば雷菜に怒られんですむ」

握ったこぶしを天高く振り上げる。その様子に少し不安がよぎった利夏。

「もしかして・・・
さっきのテストは・・・」

顔を合わさず親指をぐっとたてる。

「とりあえず鉛筆転がしといた」
「えぇ!?だめじゃん!!」
「さっきくじひく前に遥にいわれてん」




〜職員室にて〜

『そんな死にそうな顔して』
『死んだ・・・・』
『うん、鉛筆転がしてたからね・・・』

机に伏せるさゆなの前に四角のボックスを置いた。

『天国へ向けるチャンスが今年はあってよかったね』
『どういう』
『勝った方、成績が優秀だった人はね、今回どんな点数であれ再テストが相殺されるんだって』
『なぬっ!!!まじですか!遥先生!!!』
『マジでございますよ』

満面の笑みでボックスをさゆなに傾けた。

『さっ、天国への最初の切符をどうぞ』
『うっす!!!』

〜終了〜



「今のところ再テストはいくつあるの?」
「・・・・9教科中6教科の予定」
「・・・・勝とうね」
「負けたらマジで雷菜の鉄拳が・・・」
「くるね」
「何よりも恐怖!」

自分の身体を抱きしめる。っとイヤホンから遥の声が聞こえてきて耳に入れる。

“一人一人あさ机の上に封筒があったと思います。内容確認してない人は確認してね”

「たしか・・・亜奈がバラの花束で利夏が木刀」
「さゆなが兎のぬいぐるみだったね」

“泥棒は逃げながら、警察は捕まえながら、書いてあったものを探してください

んじゃぁ!試験開始!!!”

試験らしく課題も用意されていたようだ。
突如として始まった実技試験!
さてさてどうなることやら。
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