高家の戦闘員
□14
3ページ/4ページ
「まぁ楽しそうな音楽ですこと」
赤いドレスに身を包んだ槍花はコソコソと各部屋を回っていた。
2階の最後の部屋を開けた瞬間、白い花が大量に植えられていた。
「みーつけた」
笑みを浮かべるとすぐさま薬品が並ぶ机の上でひと瓶ひと瓶持ち上げていく。
「えっと…… Scarus ovifronsはアオブダイ!?毒ってこと?!なんでこんなものがあるのよ!Paracentropogon rubripinnis…なんかこれじゃない気がする。読めないけど」
ガサガサと置き換えながら百面相をしていく槍花はふと、机の引き出しが空いてることに気がついた。
「私なら大事なものは……引き出しへしまうけど……私はね」
そんな簡単なことが……とブツブツ呟きながら引き出しを開けると小さな小瓶がいくつも出てきた。
その小瓶には筆記体で書かれたものがいくつもあった。
「これ……な気がする……読めないけど」
そう言うと胸にそれを丁寧にしまい込んだ。
そして足に括り付けた細長いダイナマイトを丁寧に繋げていく。
「こんなものはこうすればいいのよ。これじゃなかったら私が吸い取っちゃえばいいもんね」
それだけ言うと部屋を出る。
が、部屋の前には大勢のスーツの男がいた。しかも皆武装して。
「……お部屋を間違えたみたいですわ」
そう言って男達をすり抜ける。
「ごきげんよう」
そう言って角を曲がった瞬間、背後で爆発が起きる。それはあの部屋が爆発したことを意味した。そして男達は槍花を追いかけてきた。
「まてぇ!」
「待てと言われて待つ分けないでしょ!」
ドレスを持って逃げる。あかりの先に逃げればそこは舞踏会が行われている二階に。
「きゃぁ!何事!?」
「おや、ミカエルじゃないか。我が愛しの婚約者」
そう言って人混みから顔を出す男。
「この人混みなら犯人がわかりそうね」
そう小声でいうと目を閉じた。
「メモリーズフィルム」
次々と頭の中で入ってくる中、先ほど声をかけてきた男が命令をして爆薬をセットしてたか笑う。そんな様子が浮かび上がってきた。
「そっ、あんたなのね。私の大事なものに手を出した首謀者は」
目を開けるとその銀髪の男に目をやる。
「悪いけど私はミカエルって人じゃないから。招待状を拾ってたまたま似てるって言われたし、忍び込むのにちょうどよかったわ」
「大変です!!すぐに避難を!!」
「何があった」
「アマデオ様!あのものに爆弾を仕込まれてしまいました!」
その言葉に逃げ惑う貴族達。そんなのを他所に男は怒りを顕にしながら槍花を睨みつける。
「先に手を出したのは貴方
赤髪海賊団に喧嘩売ったこと後悔しなさい」
直後爆発が起こり豪華な広間は吹き飛んだ。