流れる銀のストーリー(MAIN)VOL2

□闇に、錆びる月 一日目 ・二日目
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今、何が自分の境遇に起きているのか・・?
はっきりとは、理解出来ないでいた

だが、両の手首に、締め付けられる圧迫感・・
そして、不可解な違和感
やがて、徐々にと、他の部位にも意識が
届いていく
左右の足首にも、同じ圧迫感を感じている
不可解にも、Tシャツだけは、着衣したままで
下半身は、露わにされている・・

そして、ベットらしき物の上部に
仰向けに、寝かされているらしく・・
辛うじて、助かっているのは、
低反発らしい、マットレスに、
幾分は、心地よく身体を支えられているようで

だが、瞳をいくら開けようと努力しても、
視界は、布地できつく覆われて、
闇に、完全に葬られている

微かに、近寄る人らしい気配・・
嗅覚は、遮断されずに、あるので、
微量な、緑茶の香、
そして柑橘系からグリーンノートへの変化する香り
公彦から、漂う、いつものフレグランスの・・

公彦らしき人物が微細な音もなく接近し
マットレスに、乗りかかってくる
沈み込む身体、
その低目の体温と、微かな息遣い・・

その、
体温を感じさせる頬を撫でまわし
触れる指先に・・
純粋な愛を感じるのは、奇異な、
感情なのだろうか・・?
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