砂粒みたいなストーリー (PETITS FOURS)

□標本箱の雄猫 bdsmR18ノベル
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敬虔な気持ちに本当ならば、してくれるはずの
バッハのカンタータ…これが、今は僕を地獄に招き入れる調べになってる

公彦は、メロディーを、口ずさみながら、
僕を椅子に麻縄できつく縛り上げ
固定していく

彼は、超ご機嫌らしい、

反対に、僕は、酷く鬱な気分に、陥ってくる。
心臓が、凍りかけてるし、恐怖が、ひたひたと、迫り来る

「これ、着けてあげるね」

黒の合皮の首輪を、丁寧にはめてくれるが、
カフス部分が、やたら高いので、
医療用のギブスみたいで、苦しい
しかも、留め具で、椅子の背に、固定されるし
何、されるんだろうかと、思うと・・・

上手く、はぐらかしてたけど、遂に断り切れなくなって、承諾してしまった

公彦のバカ!
ううん・・・僕が一番、バカなんだけど・・

公彦は、足首や、腰にも、いつもより、きつく麻縄を、素早く掛けていく
流れるような、手付きのよさが、やたらと、恐ろしい。

「シュウ、どう?痛くない?、苦しくない?」

「苦しいです・・・」

公彦は、クックッと、嬉し気に笑って、
僕の訴えを無視し、耳たぶを、舐める

最初から、無視するなら、聞いて来ないで欲しい!

公彦は、準備がいろいろあるらしく、忙しく動き、回っている

ビデオカメラも、設置しだしてるし、
これは、気合入ってる証拠なのね・・最悪なパターン・・・

「これなーんだ?」
公彦が、小さな小箱を、僕に見せる。
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