流れる銀のストーリー (MAIN) VOL1


□君は、僕の罠に堕ちて、愛のように輝く VOL8
1ページ/10ページ

秀史郎の生活は、1か月前に、逆戻りしただけだった

喪失したのは、公彦との、誠実な友情関係・・

本当は、一番大事しなければ
、ならなかったのに、失ってしまった

後悔したが、これで良かったのかもと思う

公彦には、自分と違って、真っ当な人生を
歩んで行って欲しかった

資産家で、多数のグループ企業を持つ
榊の家の跡取り息子の彼を、
自分のトラブルに、無理矢理、
巻き込んだのは、失態だった

彼と、自分とは、違う世界に生きているんだと認識したし、反省もしている

取り返しのつかない自分の弱さに嫌気がする

そして、どこかで、
安堵し、ほっと胸を撫で下ろしている、
自分も居る

どうせ、片桐も、同性愛者では無いから
そのうち、
真面にいつまでも、相手にしてくれるはずも
なく
情事の相手として、飽き、捨てられるのも、
時間の問題だろう・・

医師になれば、借金の返済も幾分か、
可能になり

もっとも、何か、やばい仕事をさせられるのかもしれないが

今の状況よりは、多少なりともマシに
なるだろう
これ以上、暴力を行使してくる、気配もない

最底辺に堕ちたのが、意に反して、
心は、徐々に穏やかに、落ち着いていく
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ