流れる銀のストーリー (MAIN) VOL1


□君は、僕の罠に堕ちて、愛のように輝く VOL1 R18
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ベージュ色の、綿のコートの襟を、ぎゅっと
片手でにぎり握り締める

インターホンのボタンを、押す指先が、躊躇し震える・・・

秀史郎は、深く息を吸い込み、
心を、決め、それを、押した

返事はない、何度も繰り返すが、
全く応答がないのだ

絶望感が、秀史郎を襲いだす。

公彦は、このマンションにはいないのか・・?

郵便受けから、そっと、部屋の中を覗いてみる

どう見ても、不審な行動だが、そうせずには
おれない

部屋の照明が、明るいままで、
人の生活感が、かろうじてある。

あの、メールどおり
公彦は、アフリカから、日本に、
戻ってきてると思う

だとしたら、公彦はどこへ?

秀史郎は、その場に力なくへたり込んだ。
緊張と、過労で、泣き崩れそうになった。

もし、公彦に、ここで、会えなければ、
自分は、どうしたらいいのか?

秀史郎が、途方に暮れていると、


階段を上ってくる、足音そして、
カシャカシャとレジ袋のすれ合う音が・・

「あれ・・秀史郎だね・・久し振り・・」

そこに、公彦は、あっけなく、現れた
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