機械系

□実写TF/和解協定後/短編
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=ディエゴガルシア島 米軍基地内
 =某日 16:23 特別警戒警報発令
 =対地球外生命対策特殊部隊NEST−Networked Elements: Supporters and Transformers−出撃命令発令後 二時間経過

基地内は物々しい空気に包まれ、極度の緊張で脈が平常時より何倍も速い。
全員が完全武装で目を皿のようにして辺りを警戒する。
こんな状況、地球外金属生命体が地球でドンパチ巻き起こした時以来だ。

右耳につけた通信機に繋がるイヤホンからは随時、現状の報告と本部からの指示が聞こえ、それに従って敷地内をくまなく調べ回る兵。
俺はと言えば模擬弾装填済みの愛銃AS50のスコープを覗き、標的を見つけ次第いつでも狙撃できるように体勢を整えていた。

突然、辺りが騒がしくなる。
通信も乱れ良く聞き取れないが、どうやら地上部隊が標的を発見し確保の為に動き出した様子。
眼下に見えていた歩兵も次々と現場へ突撃して行き、気がつけば辺りはもぬけの空。
この時俺は息を殺し、引き金に指をかけた。
標的は恐らくこの手薄になった隙をついて姿を現すに違いないからだ。
刹那、確保失敗の通信が入る。
それとほぼ同時に射程内に入り込んできた何も知らない標的。

俺は本部に通信をいれず、独断で標準を合わせ、引き金を引いた。
見事、直撃。

「…狙撃部隊シュバルツ軍曹より本部へ。標的に命中を確認、どうぞ。」
《―ザザッ…、ちら本部。どう?捕まえた?》
「今リオルがリバース・ボストンクラブ(逆エビ固め)してる。俺は止めるべきか?」
《うーん…放っておけば?あ、ほかの全部隊に確保完了の通達だしておいたから。それ連れて基地に戻ってきてねぇ。》
《私、もしものことがあっても手当てしないからね?》
《自業自得だからそれでオケw》
《だよねぇwww》
《ナシェルオー縛るのお願いしてもいい?》
「アメイヤ中佐了解。…で、縛るのね。はいはいっと。」

素早く銃を専用ケースに仕舞い、木から飛び降りる。
そして地上部隊に支給された金属製ワイヤーで標的を縛り上げた。
地面に転がる身動きの取れなくなった今回の主犯格を見下ろし、ため息をひとつ吐いて口を開く。
はぁ…あ、だめだ、ため息しか出てこねぇw

「ったく…二時間も逃げてくれましたねぇ―レノックス少佐?」
「頼む!見逃してくれ!!今日はどうしても帰らなきゃいけないんだ!!!」
「何言ってるんですか。少佐みたく予定が入っていない非リアが殆どなんですから諦めて仕事に戻りましょーねぇ。」
「はいっ連行!」
「嫌だぁあああああああああああ…!!」

二時間も騒がせていたのはレノックス少佐。
親馬鹿というか家族馬鹿で事あるごとに基地を抜け出して仕事を放棄しようとする。
まったく…毎回毎回捕まえるこっちの身にもなれっての。

縛られながらも抵抗を続ける少佐をMyスタンガンで黙らせ、リオルと他愛もない話をしながら本部へと向かうのであった。


で、ここて終わると思った人は正直に挙手!
はいっウザイですねぇ。

本部に戻ってくると異様な光景が目についた。
人間より何十倍も大きい金属生命体二体が正座状態で説教を受けているという状況。
しかも、正座している方は自由の名の下に共に戦ったオートロボット(通称オートボット,A軍とも)で説教しているのは地球を征服せんとしたディセプティコン(通称D軍)の親玉ときたもんだ。

《貴様はオートボットの司令官であろうが!この愚か者めが!!》
《今回はメガトロンの言う通りだオプティマス。最近君の行動は目に余るものがある。しっかり反省してくれ。》
「今月これで何回目だっけ。」
《34回目。》
「で、その間溜まった書類やら仕事やらは誰が片付けると思ってるのか…あ、おかえりナシェルオ、リオル。収穫物は?」
「収穫物てw…ちょっと気絶してるからまた後でだな。」
「わかった。」

満面の笑みで出迎えてくれた部隊司令官のアメイヤ。
初期は恐怖でしかなかったこの笑みも慣れてしまえば可愛いものだと俺は思っている。
…変な意味じゃないからな。

さーってと、コーヒー飲みつつ説教風景を楽しみつつ色々なことを説明していきましょうか。


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