妄想小咄
□Love take it all
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【工藤遥side】
コンサートツアー中のハル達。
毎日ばたばたで大変だけどやっぱりコンサートは楽しい。
今はコンサート終わりのホテル。部屋決めが終わったところだ。
「どぅー!どぅー!」
「うるさいよまーちゃん」
「あのね、どぅー!まさね、どぅーと同じ部屋なの!」
「そっか」
まーちゃんと一緒か。嫌じゃないけど…
ちらっと視線を送るハル。視線の先にはハルの恋人である石田亜佑美。
視線に気付いたのかあゆみんがこっちにやってきた。
「くどぅー、まーちゃんと?」
「そうみたいだね、あゆみんは?」
「うちは鞘師さんと。」
「鞘師、さん…?」
年上だけどハルより背の低いあゆみんと並んで話すのが好きだ。ハルを見上げるあゆみんはどう頑張っても上目遣いになる。付き合って長いけどこの上目遣いは可愛くて仕方ないと思う。
って今彼女自慢してる場合じゃない!!鞘師さんとあゆみんが同室?!それはやばい香りしかしない
「鞘師さん、ちょっといいですか?」
「どうしたの?」
「部屋、代わって頂けませんか?」
「うーん」
「どぅー!行こうよー!なにしてるのー?」
「優樹ちゃんが可哀想だし代わるのはなしで!」
そう言って逃げる鞘師さん。くそっ、まーちゃんの奴…
ハルは部屋に行こうとするあゆみんの腕を引っ張った
「くどぅーどうしたの?」
「あゆみん、気を付けてね?」
「気を付ける?」
「うん。鞘師さん。」
「うーん?分かったー」
ぜっったいわかってない!鞘師さんの危険度はあゆみんが思ってるよりもずっと高いんだぞ?!
その日はなかなか寝付けなかった。
まーちゃんがなかなか寝ないのもあったけど、やっぱり一番はあゆみんが心配で不安だったからだ。
なにもなかったらいいけど…