そんなよくある話です。

□第1話
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ここ、有栖川学園は所謂王道学園といわれる学園だ。

俗世から切り離されたように山奥にそびえ建ち、通うのはほとんどが大企業や名家の子息というお坊っちゃま学校。中等部から大学まで一貫の全寮制で、そんな閉鎖した空間で思春期を過ごす故か学園では同性愛に走るものも少なくない。

そして学校側の方針で人の上に立つであろう人間が多く集まるここでは生徒が学園を取り仕切る。主な権力は生徒会と風紀委員会の二つで、生徒会は運営全般を担当し、風紀委員会は学園を取り締まり秩序を守るのが仕事だ。

詳しく言えば風紀委員会には普段生徒会程の権力は無いが生徒会が正常に働いてないと判断すれば生徒会を解散させるリコール権をもつ。そうすることで今までバランスを保ってきたのだ。

生徒会が陽だとすれば風紀委員会は陰。相対する二つの組織なのだ。それが理由かは知らないが歴代生徒会と風紀委員会は仲が悪い。

っと、話が逸れた。まぁ、そんなことは置いといてこの二つの組織についてもう一つ重要なことがある。それは役員の選別の仕方だ。普通は立候補して選挙を行ったりするのたろうがここは違う。

この学園では重要な役割を担う生徒会役員と風紀委員会幹部は人気投票で決まる。生徒会に五人、風紀委員会幹部に五人選ばれるのだ。上位に選ばれるのは見た目が良いだけでなく、人柄や能力が秀でている者が多い。

選ばれた者は一位から順に生徒会と風紀委員会、どちらに所属するか選択することができる。勿論、拒否することもできるがそれをするやつは殆どいない。理由は様々だが一番はステータスだろう。巷で名門と言われているこの学園の重要役員をやったというステータスは十分に使える。

ここまで長々と説明してきたが実は俺もそんな生徒会役員だったりする。本当は風紀委員会に行きたかったのだが10位の俺に選択の余地はなく、余っていた生徒会庶務の位置についたのだ。

まぁ、別に生徒会に入るのを断っても良かったのだが俺様会長に腹黒副会長、無口書記にチャラ会計という王道学園で更にテンプレな生徒会メンバーだったから入った。俺が双子だったならなお良かったのだが一人っ子なのだから仕方ない。そもそも役員は五人なのだから双子だったところで二人で庶務とか無理だけど。

ここまで見てもう鋭い、若しくは同族の方ならお気付きだろう。俺が腐男子だと。勿論周りには隠している。ちなみにどうでもいいが俺自身はノンケ寄りのバイだ。男もいけなくないかなぁ、みたいな。

閑話休題。つまり何が言いたいって腐男子な俺は王道ひゃっふー、これで転校生がきたら文句ないのに!と王道学園をエンジョイしております。ふはは、羨ましかろう。
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