妄想の世界
□君が髪を切る日は…
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目的地に着くと
人影なんてやっぱりあるはずもなく
そこには……
俺と真央と月と海。
車を降りて
2人砂浜に座り込む。
月の光の中
浮かび上がる夜の海は
なんだかすごく幻想的で
今なら……
どんな願いも叶うんじゃないかなんて
ロマンティックなこと考えたりして。
『 ねぇ 潤…
私 なにがダメなのかな…
また同じこと
言われたんだけどなんで…? 』
真央はいつも
同じようなことを言われて
振られ続けている。
“1人でも平気だろ…”
“イメージと全然違う”
“俺がいる意味あんの?”
だいたいそう言われて
相手の男が女を作るパターン。
確かに………
真央は弱さを見せない。
見た目はちっさいから
守ってやりたい!って
そう思わせるんだろうけど
付き合い始めたらサバサバしてるし
きっと相手の男は
ガッカリするんだろう。
でもそれは………
うわべの真央だ。
本当の真央は
見た目通りだと思う。
ただ…強がりで
少し……演技がうまいだけ。
「 だから たまには甘えてみせろって
いつも言ってんだろ?
なんでも1人でこなしちゃうし、
寂しくなるんじゃねーの、相手は 」
『 そうはいっても…
無理なもんは無理だよ… 』
あぁ〜あっ!ってでかいため息ついて
真央は盛大に砂浜に横になった。
ほらっ、
そういうとこが
サバサバしててダメなんだって。
汚れちゃうとかさっ
多少気にしてみせろよ。
まぁ………
俺の前ではいいけどね。