妄想の世界

□最後だとわかっていたなら……
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真央が俺の横で
『 うひゃひゃひゃ 』って
俺そっくりな
笑い方をしてるのを聞くのが
これで最後なんだと
わかっていたら…………








俺は
その一部始終をビデオに撮って
毎日繰り返し見ただろう。








真央が俺の横で
幸せそうな顔して
眠りにつくのを見るのが
これで最後なんだと
わかっていたら………








俺は真央を
胸の中に抱きしめて
神様に真央を
守ってくれるように
祈っただろう。








真央が笑顔で
『 いってきます 』って
玄関を出ていくのを見るのが
これで最後なんだと
わかっていたら…………








俺は真央を抱きしめて
キスをして
そしてまた
もう一度呼び寄せて
きつく
抱きしめただろう








真央は言わなくても
わかってくれていたかもしれないけど
最後だとわかっていたら……




一言だけでもいい…








“真央を愛してる”


そう 俺は
伝えただろう。








たしかに
いつも明日はやってくる








でももし
それが俺の勘違いで
今日ですべてが
終わるのだとしたら……





俺は 今日
どんなに
真央に感謝してるか
どんなに
真央を愛しているかを
伝えたかった……








そして…
忘れちゃいけなかったんだ……








若くても
年とってても
明日は誰にも
約束されたものじゃないんだってこと








愛する人を
抱きしめることができるのは…




今日が
最後になるのかもしれないってことを……

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