妄想の世界
□君が髪を切る日は…
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日付もかわって
世にいう丑三つ時と呼ばれる時間。
俺の携帯が着信があることを告げる。
こんな時間に電話なんて
非常識なことすんの……
絶対 アイツだろ(怒)
携帯を手にとって
表示されている名前を見る。
“ かわいい真央ちゃん ”
……アイツ……
いつの間に
自分の名前に小細工しやがった!!
「 もしもし 」
『 潤… 海 行きたい 』
「 …はぁ!?
お前 何時だと思ってんだよ!!
しかも いきなり
用件だけ言うんじゃねぇーよ。
まずは 名前だろっ!?
お前…
それ悪い癖だぞ 」
『 潤以外の人には
しっかり名前言うもん!
潤だけだもん!!
っていうか 潤、
海行きたい!
夜の海が見たい!! 』
……はぁ……
いつもこうなんだ、真央は。
早ければ半年、
長くても1年。
同じようなスパンで
必ずこういう電話をしてくる。
決まって
男に振られたときに…だ。
こんな真夜中に
そんな電話もらうこっちの身にも
少しはなれよ。
今をときめく
スーパーアイドルだよ、
俺(笑)
すっげぇ忙しいんだよ?
マジで。
………でも
コイツのそんな願いを
いつも叶えてる俺は
ホントにバカだなって思う。
俺だけだっていう言葉が
すっげぇ嬉しい。
俺がホレてんの、
本気で気づいてないのか………
マジ ありえねぇ。
なんて考えても結局
真央を迎えに行くために
車を走らせる俺。
真央のマンションの前に車を止めて
携帯で着いたことを知らせると
すぐに真央がでてきた。
『 お待たせっ 潤!
さぁっっ 海にいこー!! 』
「 お前は相葉ちゃんか!?
テンション高すぎだっつーの 」
ギャーギャーうるさい真央を
助手席に乗せて
俺たちは夜の海へと向かった。