妄想の世界
□たまにはこんなわがままを…
3ページ/3ページ
「 うん、ごめんね。
これから気をつける。 」
そう言った私に
ふにゃって笑顔見せて
んって頷く智くん。
あぁ 智くんだぁ〜って
なんだかすごく幸せな気分になる。
『 今日はごめんね?
仕事だったとはいえ
約束ドタキャンしちゃって。
デート楽しみにしてたんでしょ? 』
そう言って
部屋の片隅に置かれたカゴを指でさす。
あっ!って
バツの悪そうな顔をした私に
智くんが言った。
『 少しは寂しいとか言っていいんだよ?
真央はわがまま全然言わないけど。
すっげぇわがままは困るけど
真央は言わなすぎだよ。
たまにおいらが不安になっちゃうよ。
真央は
おいらに会えなくても平気なのかなって。
ってこれおいらのわがまま? 』
“ おいらのせいなのに変か?
こんなこと言うの ”
智くんが1人でゴニョゴニョ言ってたけど。
私は智くんの言った言葉に驚いてた。
“ 会いたい ”
そう思ってるのは……
私だけだと思ってたから。
智くんは…
平気なんだと思ってた。
私1人が寂しいんだと思ってた。
付き合ってるはずなのに
片思いしてるみたいな…
そんな気持ちになってた。
でも…ちがったんだ…
私
ちゃんと智くんに想われてたんだ…
「 会いたかったよぉ〜…
智くん…… 」
私は智くんに抱きついて
今にも泣きそうな顔を隠して
そう言った。
『 俺も…
会いたかったよ 』
智くんの腕が
私をきつく抱きしめてくれる。
智くんの香りに包まれて
すごくホッとして
やっぱり私にはこの人がいなきゃダメなんだと
心の底から思う。
デート出来なくってもいい。
あなたがこうやって
私に会いにきてくれたことが
何より嬉しいの。
これからは
少しずつだけどわがまま言わせてね、
智くん(〃ω〃)
たまにはこんなわがままを
おわり
「 ねぇねぇ智くん 」
『 ん? 』
「 あのね?
チュ〜……してほしいな♪ 」
『 ……………。
チュ〜だけでいいの? 』
「 えっ?えっ!?
ちょっと智くん!?
きゃーっ(///∇///) 」