ストーリーを

□彼方が如く
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私は出来上がった朝食を食べ終え、
学校の登校準備を始める。

彼「ん?」

「…には…会の事は言うべきじゃねえな…」

彼方が聞こえたのは狼我が誰かと連絡をしている声だった。

彼「何とか会とか言ってたけど…」

狼「あいつがこの事を知ればどんな事を仕出かすかわかんねぇだろうが」

彼「…これ仕事関係だよね?私が盗み聞きしても何もないか…」

彼方は少し肩を落とし、自部屋へ戻る

彼「…おっと、もうこんな時間」

彼方は階段を下り、リビングから玄関へと通り越す。

彼「行ってきまーす!」

母の愛美からは「行ってらっしゃい、気をつけるのよ!」

靴を履き玄関のドアを開ける。

「お嬢!おはようございます!」

神崎組の組員だろうか、何人かが頭を下げる。

彼「あっ、おは。」

組員A「お嬢、先程親父からお嬢を学校へ送ってくれと頼まれまして…」

彼「えっ、珍しいなあ…」

組員B「どうぞ、乗って下さい」

と黒のセダンの扉を開け、中へ誘い込まれる。

彼「じゃ…お言葉に甘えるとしますか」

組員A「お嬢、学校まで遠いですし退屈凌ぎに音楽でもかけますか?」

彼「おっ、歌姫ロイド?」

彼方の言う歌姫ロイドとは最近大人気の歌姫のロボットだが、出演はCGで稼働しているようだ。

組員A「はい、お嬢の好きな」

歌姫ロイドは種類があるのだ。
8種類が存在している。

彼「じゃあお願いしようかな」

組員A「分かりました」

組員は音楽機能が付いたカーナビを
操作する。

組員C「お嬢、今日はご早退を?」

彼「まあ、学校は退屈だからね」

組員C「今日は藤岡さんが迎えに参るとの事で」

組員Cが言ってる藤岡とは
神崎組の次期組長で、狼我も深く見込んでおり信頼できる。
簡単に言えば今は副リーダーみたいなものだ。

彼「ねえねえ、さっきから聞きたかったんだけど用事でもあるの?」
と聞いたと同時に音楽が流れ始める。

組員A「はい、後で東条会へ向かいたいと思います」

彼「…‼」

彼方はふと思い出した。

「…には…会の事は言うべきじゃねえな…」

そう、
狼我が言っていた事が一致したのだ。


彼「…東条会…ねえ…」

東条会ってあの有名な極道の集い場
だよね?パパとどういう関係な訳?

彼「どういうわけか説明願いたいんだけど」

組員「……」

暫くの沈黙が流れる。

それを破ったのは

組員A「お嬢、申し遅れました。
俺たち組員は東条会の人間です」

彼「……どうして早く言わなかったの?そしたら聞く手間も掛からないのに」

組員「すいません……」
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