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□櫂斗×ナンバ
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ナンバっていう子供が来てからはや二日…
少し慣れてきてくれたのはわかるんだが…
ーーちーっ
『ナンバ、トイレはそこじゃないだろ?したいなら言えよ?』
「ナンバしらないもんっ」
そう…どこでもおしっこしてしまうんだ…
『そういう子にはお菓子あげないよ』
「ナンバわるくないもんー!」
10歳のわりにはしゃべりも思考も赤ちゃんだ…
更にナンバの困るところは…
「んーっ…ふはぁ…んーっ…」
『ナンバ!うんちはトイレな!』
りきむナンバを抱えてトイレまで走るが…
ーぽとっ…ぽとっ…
ヘンゼルとグレーテルのように点々と落し物をしていき、トイレにつくと
「すっきり…にぃ、ナンバうんちしたよ!ごほーび!」
『はいはい…少し待ってて…』
慌てて落し物を拾って行く。
トイレにすべて流して、手を洗うとナンバが抱きついてきた。
「にぃ…ナンバダメな子?捨てるの?」
泣きそうな目で見つめてきた
そうだった…ナンバは捨て子だ…
『ごめんね、ナンバ。まだわからないんだよな…。ちゃんと兄ちゃんが教えてやるから。大丈夫、捨てたりなんてしないよ』
「ほんと?にぃ大好き!」
ナンバが大きくなって俺を嫌うまで、いろんなことを教えて、愛してやるからな…
ー翌日ー
「にぃ、うーんっするのー」
『する前に教えような!?』
ベッドのうえに広がった黄色いシミと、次々に生み出されるものを苦笑して見るしかないのだ…