プライド

□どうしたら春は来るの?
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突然頭をがっしと掴まれ、そのままわしわしと撫でられる。こんなこと突然するやつはアイツしかいない。



「おい守里」

「いや突然何なん昂大」

「最近何で構ってくれへんの」

「いやそれだけかよ」

「悪いか???」

「……可愛いなー思っただけ〜〜〜」



ニヤニヤしながら言うとまだ掴まれていた頭を更に撫でられる。痛い。というかそんなに身長差ないのに頭撫でるついでにぐいぐい押さないでくれるかな。縮む。



「うっさいいいから構えや」

「今のところ昂大から構いに来てるから実質構ってるけどそこはどうなん?」

「守里の方から来て欲しかったけど全然来ないから俺の方から行っただけやん?」

「うちに構って欲しくて必死か」

「俺にも抱きついてこいや」

「意味分からんな〜〜〜情緒がもうな」

「ん!」



ばっ!と両手を広げる昂大。これはもう確実に抱きつきに行かないと動かないし機嫌も直らない。



「……あ〜〜〜もう、分かった分かった!やりゃいいんやろ?!」



ほぼヤケクソで腕を広げて待っていた昂大に抱きつきに行く。抱きついたら思いっきりすごい力で抱きしめられた。ぎゅうぎゅう抱きついてきて痛い。



「あ〜〜〜守里や……」

「守里ですよ」

「……岸さんも言っとったけどまじで楽天に来て」

「岸さんのお願いは断りたくても断れないけどそのお願いは無理かな」

「守里〜〜〜」

「はいはいはいはい」



その日、このうちらのハグの写真がTwitterで流れるに流れまくって野球ファン界隈の中で軽くニュースみたいになっとった。SNSの拡散力舐めちゃいかんな。





どうしたら春は来るの?

20190313


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