プライド
□よそ見してたら噛み付くよ
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「もしもし、すいさん?」
『ああ、まも!久しぶり、どうしたの急に。何かみやに言えない悩み事?』
「……! そんなんじゃないです!」
『ははは、うそうそ。……で?本題はなに?』
「すいさん、今日は12球団からセーブ、おめでとうございます。今日もすいさん、かっこよかったです」
『……ありがとう』
「……何ですかすいさんその間は。私がかなしくなりますから」
『……何か、申し訳なくって』
「何でですか、すいさんは自分の意志でオリックスに行ったわけで、誰も悪くないんですよ。だってそういう制度ですもん。12球団からセーブなんて、他の球団に移籍しないと出せない記録だし……」
『……まも、まもが泣かないでよ』
「っ、泣いてなんか、これは嬉し泣き……あ、」
『結局泣いてるんじゃん』
「うう、やっぱりどうしてもすいさんには何でもお見通しなんですね」
『何年一緒にやってきたと思ってるの』
「はは、確かにそうですね」
『ところでさ、』
「はい?」
『みやは元気?』
「ええもちろん。いつも通りですよ。……ていかナオさんから何も連絡とか来てないんですか?(すいさんがいなくなってから少し元気がないっていうのは教えた方がいいのかな)」
『ん?まもがたまーに見せる顔が可愛いとか?』
「ちょっと!!!ナオさんは何言ってるんだ!?!?そしてすいさんはそういうことを本人の前で言わない!!!」
『だって、俺だってみやに負けないくらいまものこと好きなのに?』
「すいさんを褒めちぎるつもりでいたのに、も…本当やめてくださ……」
よそ見してたら噛み付くよ
20180729