プライド

□りぼんが似合わない
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「つめたっ!?……て、なんだまもさんか」


「なんだとはなんだ有原さん?まもさんがアクエリを持ってきてあげましたよー」


「はは、ありがとうございます。ちょうど欲しいなって思ってたところです」


「そうでしょ」



まもさんにはたまーに自分の考えが読まれてるんじゃないかって思う時がある。今もそうだ。少し休憩しようかな、と考えてた矢先に休憩しようと言わんばかりにまもさんが飲み物を手にひょっこりと現れる。前に「考え読んでるんじゃないですか?」って聞いてみたら「エスパーだからね」とドヤ顔で言ってきた。何だそれ。思いっきり笑った記憶がある。



「まもさんってやっぱりエスパーですよね」


「そうだよ。何を今更。エスパーだからね、みんなの考えてることは大体わかるよ。特にピッチャー陣ね」


「俺もまもさんみたいにエスパー目指そうかな」


「そんな簡単になれるもんじゃないなぁ、知っとる?」



そんなことを真顔でガチなトーンで言うまもさんも笑える。基本的に感情を出すことが少なく普段から冷静なまもさんだけど、関西人だからたまーにこういう面白いことを言う。関西人の性か。



「はー、やっぱりまもさん面白くて好き」


「んー、面白いはちょっと心外。かっこいいって言って欲しい」


「かっこいいのは俺っすから」


「はいはいかっこいいかっこいい」



そして急に冷たくなる。さっきの面白いまもさんはどこに行った。





りぼんが似合わない

20190223


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