プライド
□くしゃみすら愛おしい
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「まもちゃん見てた!?」
「見てない」
「こっちも見ずに言わないで!?」
「何の話…?」
泰示ちゃんの顔も見ずに「見てない」とだけ答えた後に顔を上げたら、悲しそうに眉を下げる彼と目が合った。しゅんと下げられた耳としっぽが見える。大型犬だ。ドーベルマン。
「俺の今季初ホームラン!」
「ん、……ブルペンで見てたかな」
「……本当ぉ?」
「うん、よかったよかった」
「今年のまもちゃん、何か冷たくない…?気のせい…?」
「えっ、いつもこんな感じじゃない?」
「……上沢には優しかったよね」
「まあ同じ投手陣だし???」
「ここまで投手陣になりたいって思ったことないな」
「いやでも泰示ちゃんは同世代だしいいと思ってるよ、泰示ちゃんが思ってる以上にね」
「まもちゃん……!?」
くしゃみすら愛おしい
20180423