プライド
□あの子の羽をむしる
1ページ/1ページ
「っ、!守里、ごめん……」
「……なんで増井さんが謝るの…?」
「せっかく守里が、みんなが抑えてくれてたのにそれを無駄にしちゃってさ」
「それは増井さん、お互い様ですよ」
「え?」
「私だって、ピンチ作ってる。そしてそのピンチで失点もしてる。先発陣がどれだけいいピッチングしててもその時の調子でどうしてもその勝ちの流れに乗れずに失点しちゃってるんですよ。私も、去年までみたいなピッチングが出来てないんですよまだ、」
「……守里のこと、本当にすごいと思ってる」
「どうしてですか?私、そこまで強くないですしすごくもないです……」
「こういうとき後ろに向きつつある意識を、そうやって前に向けようとしてくれる選手、だからかなぁ」
「みんなも辛いしチームとしても監督としてももちろん私としても辛いけど、空元気でもいいからそうでもしないとやっていけないような気がするんです、」
あの子の羽をむしる
20170516