プライド

□薔薇のお姫さまに百年間眠り続ける魔法を
1ページ/1ページ


「っ……!」



終わって、しまったのだ。私たちが目指してきた、世界一が。潰えてしまった。ブルペンでそれを見守ることしか出来なかった私は、力不足なんだと改めて痛感したのだ。



* * *



「…………」


「…守里?」


「……増井さん、」


「ん?」


「……悔しいです」


「うん」


「でも、みんなちゃんとやりきりましたよね……?」


「そうだね、少なくとも俺は、そう思ってる」


「あーあー。もっと投げたかったな〜」


「守里はよくやったよ。えらいえらい」


「ちょっとっ…!増井さん、(頭撫でられた……)」


「ん?」


「(完全に無意識だなこの人……)」


「まも〜」


「あれ、宮西さん」


「お疲れ、まも」


「宮西さんもお疲れさまです。まさかドジャー・スタジアムで投げてる宮西さん見れるとは思ってませんでしたよ」


「せやろ〜」


「かっこよかったですよ」


「!」


「んはは、宮西さんの考えてることなんて分かりますから!」


「あーもー!まも〜〜!!!」


「何ですか!増井さんも宮西さんも頭撫でて!」






薔薇のお姫さまに百年間眠り続ける魔法を

20170402


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ