プライド
□薔薇のお姫さまに百年間眠り続ける魔法を
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「っ……!」
終わって、しまったのだ。私たちが目指してきた、世界一が。潰えてしまった。ブルペンでそれを見守ることしか出来なかった私は、力不足なんだと改めて痛感したのだ。
* * *
「…………」
「…守里?」
「……増井さん、」
「ん?」
「……悔しいです」
「うん」
「でも、みんなちゃんとやりきりましたよね……?」
「そうだね、少なくとも俺は、そう思ってる」
「あーあー。もっと投げたかったな〜」
「守里はよくやったよ。えらいえらい」
「ちょっとっ…!増井さん、(頭撫でられた……)」
「ん?」
「(完全に無意識だなこの人……)」
「まも〜」
「あれ、宮西さん」
「お疲れ、まも」
「宮西さんもお疲れさまです。まさかドジャー・スタジアムで投げてる宮西さん見れるとは思ってませんでしたよ」
「せやろ〜」
「かっこよかったですよ」
「!」
「んはは、宮西さんの考えてることなんて分かりますから!」
「あーもー!まも〜〜!!!」
「何ですか!増井さんも宮西さんも頭撫でて!」
薔薇のお姫さまに百年間眠り続ける魔法を
20170402