プライド
□盛れてないプリクラはごみとおんなじ
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「もしもぉし」
《…………》
「無言電話ですかタチ悪いね」
《久しぶりなのに何やの守里》
「いや、久しぶりなのに無言電話かます兄ちゃんの方が何やの」
《いやあ…守里元気かなあ思うて》
「え、まあまあ元気だよ」
《あれ、今年どっち?》
「今年?国頭」
《あ、じゃあ割と近いんや》
「言うて宮崎と沖縄やけどな」
《や、ここ数年ファイターズ1軍と2軍でキャンプ地分けてたから今年もアメリカ行くんかなーってちょっと思ってたけど今年は違うんか》
「あー…そうなんだよね……去年兄ちゃんも見てたと思うけど、シーズン後半から調子落ちてきてさ。クライマックスとか日本シリーズとか、全然チームに貢献できなかったんだよ。多分それがあるんだと思う」
《なるほどな…》
「その分、今年頑張らなきゃいけないんだけどね」
《守里なら行けるやろ》
「まあね。ここまで来ちゃったら他の人には負けられないよ」
《今年もきっとあれやろ、中継ぎのローテ守りきるつもりやろ?》
「そうそう、というかむしろ毎年そのつもりでいるから」
《ファイターズ戦で守里が投げてるとこ見れるの、今年も楽しみにしてるな》
「あいあい」
《いやー、今年もかっこええなー我が妹は》
「んはは、昔から男所帯で育ってますから」
《少しは女らしくなったらええんに》
「それはいつになるんでしょうね〜〜」
《その言い分からして絶対なる気ないやないか!》
盛れてないプリクラはごみとおんなじ
20170203