青の魔女語
□序章
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「あ、さっそく要件なんだけど...キイチ学園、入ってみない?」
「は?」
その少し年のいった顔がイタズラっ子のように笑って言った言葉が俺は、瞬時に理解する事ができなかった。
「だからさ、キイチ学園に入ってよ」
「で、でもなんで急に...」
俺は産まれた時から王国に関わってきた。だから、“学校”というのにも行ったことがないのに...ないのに。
「彼処に“魔女”がいるんだ」
“魔女”
それは、敵国の最大の武器である。魔女は、余裕でも国の1/3は軽く消し飛ぶ力を持っているらしい。
人間には、“魔力”がある。それは、必ずあるモノで俺も持っている。だが、魔女は人間が持つ以上に魔力が強い。だから、使いようによっては危なくなる。
そんなのが、敵国の帝国側にあるんだ。折は、監視として俺をつかせたいんだろう。
「わかった。でも、いつから向こうに行けばいいんだ?」
キイチ学園は、王国と帝国の狭間にいる山の中にある。閉鎖的なので何処とも連絡が取りにくい。
「明日」
またも折の顔面を殴りたくなった。