青の魔女語

□一章、出会い
1ページ/31ページ

あの後、魔力で作られたセキュリティの門の中を通り自分が住むことになる寮に入った。

「俺と蒼は同室。普通は、四人部屋なんだよね。もう二人、誰か知ってる...?」

部屋の片づけをしている時に、もう終わったらしいキオが俺に詰め寄って聞いてきた。

「し、知るわけねぇだろ」

「ふっふ〜ん!なんと帝国の二人なんです。しかも、魔女が一人...ね」

最後の言葉は、意味ありげにニヤッと笑い俺に言った。

「魔女て危険なんじゃ」

「でも、俺たちの方に向かせたらとってもラッキーじゃな...」

「そんな事は、ありえない」

キオが期待に胸を膨らませて言っている時に凛とした声が聞こえた。聞こえた方を見ると、ドアのところで仁王立ちしているなんか威圧感のある、小さい少年が立っていた。

「「え?!」」

俺とキオのあっけない声が部屋中に響いた。

「馬鹿な声ですね。これだから王国の人間は」

「バカト。片づけ終わった?」

「終わりましたよ。姫様」

「喧嘩売ってんの」

「はい」

少年の低い威圧感の感じる声にも動じずキチリと制服を着た銀髪の赤目の少年はほほ笑んで即答した。それに苛立ったのか、掴み掛ろうとする少年にキオが声をかけた。

「お前たちが同室者なのか?」

「あたりまえだろ。違かったらなんでここにいるんだよ」

しれっとその少年は、真顔で応えた。少年の姿は、平凡的な顔の黒髪だった。唯一、深い青色の目で目立っている。

「あ、そうだよな!」

あはは、と笑ってるキオだが、少年の冷たい視線にやられてるらしい。

「姫様、もう少し愛想よくしてください」

はあ、とため息をついた銀髪の少年は、黒い燕尾服のような制服だった。さっきの少年は、俺達と色違いなのか黒色を基調として白いラインが入ってる制服を着ていた。

「うるせえな。黙れバカト」

二人を見ていると従者とわがままなお嬢様にたいだ。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ