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□(bl)番:青のバレンタイン」
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バレンタイン特別番外編です!
まあ、どうぞ↓(多少のネタバレあり・幼少時のマリヤの話なので、師匠がでてきます)
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「マリ」
「師匠!」
とある大きな家の中にある庭にぼーっと立ってどこか遠くを見てる腰ぐらいまである黒い長髪の少年...マリヤに師匠と呼ばれた人が呼びかけた。
「どうしてここに?」
不思議そうな顔でコテンと首を傾げて師匠を見つめた。
「...」
「し、師匠!?」
師匠の方は、マリヤの一つ一つの仕草にやられていて...
急に口を押えてしゃがみこんだ師匠にマリヤは慌てて近寄った。
「だ、大丈夫...?」
「あ、あぁ...っ」
心配そうに下から顔を覗き込んでくるので自然と上目遣いになり、またもや師匠を堪えさせる。
至って平凡な顔のマリヤだが、何故か守りたくなるような小動物みたいなオーラをだしている。師匠は、誰よりもマリヤが好きで下心さえある気持ちを純粋なマリヤにぶつけれるわけもなく...
「マリ、他の人にそんな事しちゃダメだよ」
「そんな事?」
何それ?と考えるマリヤは、本当に可愛いなと思う。だが、純粋すぎるのは少しいただけない。毎日毎日、マリヤが誰かに襲われてないかと心配してしまう。たまに過剰になり監禁したい、そういう願望さえ生まれてくる。
「いや、何でもないよ」
「うぅ、きーにーなーるー!!」
ぷくう、と頬を膨らませて拗ねるマリヤに師匠は、それより!と切り替える。
「バレンタインっていうの知ってる?」
「ばれんたいん?何それ、食べ物?おいしー?」
興味津々と言いたげに目をキラキラさせるマリヤを師匠は自分の膝に座らせて、ぎゅうと抱きしめた。
「食べ物...では、ないかな。簡単に言うとお祭りみたいなものだよ。好きな人にチョコで作った何かをあげるんだよ」
「へぇー!じゃあ、マリは師匠にあげなきゃね!!」
「ありがと、私もマリの事好きだよ。ところで、ミトにはあげないの?」
師匠が「ミト」と言った瞬間、ぷくーと頬を膨らませてそっぽを向いた。
「みー君意地悪なんだもん。みー君は本当の魔王なんだよ!」
師匠は、その言葉に苦笑した。マリヤから見たらミトは意地悪な魔王かもしれないが、それは愛情の裏返しって事は多分マリヤ以外の家の住人全員が知ってるだろう。