モノクロの女王と白金
□3.十字架を背負い、旅立ち
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【Jotaro's side】
おふくろがいない。
その時点で嫌な予感はしていた。星のアザが何かを知らせてきている。知りたいのに知りたくない。目を背けたいのに、逃げ出したいのに、早く確かめなくてはならない焦燥感に襲われる。相反する感情で気が狂っちまいそうだ。
途中でじじいと合流しておふくろを探した。
おふくろはキッチンにいた。ただ、そこから聞こえてきた声には足を止めざるを得なかった。
「い…いや。安心しようとしていたのだ。ないはずはないのだ。ジョースター家の血が流れているかぎりDIOからの影響はあるはずだったのだ。ただ」
これは、アヴドゥルの声だ。
ジョースターの血。
DIO。
ああ、頭がおかしくなりそうだ。何故だ。どうして、何故こんな。
「スタンドとはその本人の精神力の強さで操るもの、闘いの本能で行動させるもの!おっとりした平和な性格のホリィさんにはDIOの呪縛に対しての抵抗力がないのだ!スタンドを行動させる力がないのだ!!」
「だからスタンドがマイナスに働いて害になってしまっている!非常にまずい…こ…このままでは!…」
そして、その次の一言こそが、ジョースターの運命を定める一言だったのだ。
「死ぬ!とり殺されてしまう!」
「は!」
アヴドゥルが振り返った。しかしそれに応える余裕などない。
死ぬ?誰がだ。おふくろが?ハッ、笑わせんな。あんなやつ殺したって死ぬ訳がねーんだ。
「……ホ…リィ」
「ジョースターさん…JOJO」
じじいが叫びながら俺の制服を掴んで、壁に叩きつけた。おい、なんでそんな顔をしてやがる。
「わ…わしの…も…最も恐れていたことが…おこりよった…つ…ついに娘にスタンドが…」
「抵抗力がないんじゃあないかと思っておった…DIOの魂からの呪縛にさからえる力がないんじゃあないかと思っておった…」
馬鹿なのかじじいは。
今言ってるべきなのはそれじゃねえ。
じじいの腕を掴んで締め上げる。
「言え!対策を!」
「うう…く…う…ううう……ひとつ」
じじいの目の色が変わった。
「DIOを見つけ出すことだ!DIOを倒してこの呪縛を解くのだ!それしかない!!」