長編
□終わりにしよう?
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光の当たらない場所で起きるその汚いゲームは、人の思いを踏みにじっていく。
汚いゲーム、それは殺しあい。
殺した者には大切なものがある。
それを関係ないと嘲笑う。
そんなどうしようもない汚い世界も、愛していかなくては生きていけない。
生か死。
これは、そんな世界で生きるために戦う青少年達の、足跡である。
ここはとある休日の、とある平凡な一軒家。
そこに一人、ベットで眠る青年がいた。
?「…う、あれ……?」
彼は吹雪士郎。穏やかで心優しき青年だ。現在は高校二年生である。
士郎「…あ、僕、寝てたのか…」
?「ホント、ぐっすりだったぜ。そんな疲れてたのかよ?」
彼は吹雪アツヤ。吹雪士郎の弟だ。少々熱血系で、口も悪いが、何だかんだで優しい青年だ。現在、双子のため兄と同じく高校二年生である。
士郎「いや、疲れてないと思うけどなあ…」
そう言って着替えた士郎を見たアツヤは目を伏せた。
アツヤ「………そうかあ?じゃあ、兄貴、その服、逆だけど気付いてたのか?」
言われて士郎がパチパチと瞬きをする。
士郎「…あれ、ホントだ。どうしてかな。」
アツヤ「それから、靴下も柄が違う。」
士郎が靴下に目を向ける。
士郎「あれー?」
アツヤ「…兄貴、しっかりしてくれ…。」
ちなみに、兄の方は天然であり、弟は勘が鋭い。
この二人は真逆なのだ。
アツヤ「ったく、しょうがねーな!」
士郎「う…ごめん」
アツヤ「別に?慣れてるからよ」
士郎「そっか…確かに…」
アツヤ「納得してやがる…困った兄貴だぜ…」
士郎「はは、不満かな?」
アツヤ「いーや、別に?」
平凡だった。
あの日までは。