ハイキューBL小説 ノヤ縁

□J'aimerais saluer la plus haute fin heureuse avec toi.【ノヤ縁】
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J'aimerais saluer la plus haute fin heureuse avec toi.【ノヤ縁】



「なぁ、今日話してたやつって、…誰…?」

薄暗い部屋の中で、狂気に満ち溢れた西谷の目が光る。
縁下は、それに怯えるように眉を下げ、声を震わせた。

いま俺たちがいるのは学校の部室だ。
まだ残ってる生徒達もいるし、日向達が自主練に来てもおかしくない。
なのに、西谷は動こうともしない、俺に何を求めているのだろうか、そう聞けるはずもなく、ただただ西谷が怖くて、抵抗するのに必死だった。


「ひっ、っあ、っちが……!」


それは誤解で、俺の意志でやったんじゃない、そう言いたいけど、散々痛め付けられた腰や足、首までも絞められ、俺は抵抗ができなかった。

どうしてこんなことになってるのか、俺が聞きたい。
俺の恋人、西谷夕は、独占欲が強くて、常に俺と一緒だった。
それに気づき始めたのは最近で、今の俺は西谷の許しがないと外出もできない状態だった。
なのに、今回は学校で告白され、キスまでも許してしまった、だからこんなことになったのかもしれない。

──いや、それしか原因はないだろう。
途切れそうな意識の中で、俺は必死に意識を保っていた、そんな俺に西谷は、「俺はさ、」と少し枯れている声でこう続けた。


「お前が…、俺以外のやつと話してんのムカつくんだよ、胸の内側から何かが溢れそうで、それを出ないように必死に保ってる、その時、思うんだよ、もし縁下が俺から離れていったら、俺はどうすればいい?死ぬ?それとも縁下と関わってるやつ皆殺す?……その時思った、お前を監禁して外の奴と関わらないようにすれば、お前はもう俺のものだって、」


もし俺のものにならなくてもそれと同然だろ?と、西谷は言い張った。
言葉にはできないが、俺は西谷から離れる気なんてこれっぽっちもないよ。
言いたいけど、言ってしまったら逆効果だ。
俺がその言葉を口に出すと、西谷はこう言うだろう、「そんなの嘘に決まってる、どうせ俺の機嫌をとろうと嘘言ってるだけなんだろ」と。

好きなやつに揶揄なんてするわけないだろ。



そう伝えたいのに。

なのに、

言葉がでない。


「っ、ぐ…、にし、のや…っ」


だんだん意識が朦朧としてくる。
またこれだ、西谷は俺のなかに入れる前に、意識を朦朧とさせるために首を絞める。
…俺に否定されるのが嫌なんだろう。
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