三つ編み少女

□酒匂萌という支配者は
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この教室の独裁者である、酒匂萌について話そうか。

私は一応、彼女の側に付かせてもらっている。

まあ、いわゆる『いつメン』というやつだ。

私のトレードマークは眼鏡と丸いシルエットのようなショートヘアーってところ。

女王様に出会ったのは、入学してから一ヶ月の事。

「ねぇ。あなた、友達になりましょ?」

と気品のある、彼女に唐突に声をかけられた。

「あなたのその、冷静さがほしいの。」

とほほえみかけられた。

一体、どこでそんなことを知ったのだろうと思わずにいられなくなった。

彼女とは全然話した記憶もない。

そして、見る間に彼女は取り巻きという名の城を完成させた。

女王様はたまに、その事に高笑いをしているようだった。

彼女の意図はまるでわからない。

一体、このお城を建てて何がしたいのだろう。

その事に彼女自身、満足しているようなので何も言わないが、とても無意味に感じてしまう。

果たして私達はこのまま大人になったとして、幸せな人生が歩めるのだろうか?

不思議に思うしかない。

日々が楽しそうで何よりなのだが。

『彼女は愛されたいのだろうか。』

唐突になんでもない日にそう、思った。

きっと彼女は取り巻きである私達の事を自分と同じ人として見てはいないだろう。

私自身、彼女の視界に入っていないことぐらいわかっていた。

きっと、国に住む民位にしか思っていないだろう。

それでも、彼女の取り巻きのひとりであるパシリ役の男の子は、彼女に見初められたいがために毎日頑張っている。

そんなもの、彼女にとっては無駄に等しいのに。

そんな光景を毎日みる。

彼女はどれだけの賞賛を浴びれば満足するのだろう?

きっと、このクラスだけではないはずだ。

女王様は欲深きお人。

燃えるような野心がなければ、このクラスを支配することなど実現できなかっだろう。

毎日が戦場のような学校生活で、私は平和を感じていた。
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