三つ編み少女

□三つ編み少女の憂鬱
1ページ/2ページ



私はよく手足の先が冷える体質だった。

だから、いつも手は赤くなり悴(かじか)んでいた。

あまり好きじゃないこの季節。


過去にも大切な人との関係を壊した季節。

サンタさんはプレゼントをくれるはずなのに、私には絶望を与える。

何の期待もない。

サンタさんのプレゼントにも。

周りにも。

私の地域では夏は暑いくせに、今はすこぶる寒くなる。


それだからだろうか。

肌に刺さる程の寒さは、輝いていた幼い日々を思い出させる。

その寒さは訪れるであろう、クリスマスを知らせる。

「もう、クリスマスか」

そう言う声はなぜか歓喜を帯びていた。

吹雪で吹き荒れる風は止まることはない。


*end*
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ