三つ編み少女
□三つ編み少女の憂鬱
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私はよく手足の先が冷える体質だった。
だから、いつも手は赤くなり悴(かじか)んでいた。
あまり好きじゃないこの季節。
過去にも大切な人との関係を壊した季節。
サンタさんはプレゼントをくれるはずなのに、私には絶望を与える。
何の期待もない。
サンタさんのプレゼントにも。
周りにも。
私の地域では夏は暑いくせに、今はすこぶる寒くなる。
それだからだろうか。
肌に刺さる程の寒さは、輝いていた幼い日々を思い出させる。
その寒さは訪れるであろう、クリスマスを知らせる。
「もう、クリスマスか」
そう言う声はなぜか歓喜を帯びていた。
吹雪で吹き荒れる風は止まることはない。
*end*