三つ編み少女
□三つ編み少女 弐
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……彼女は朝が嫌いだった。
朝になれば、学校にいかなければならない。
眠ってしまえばあの、忌々(いまいま)しい朝がくる。
あの、嫌な朝が。
だからあの彼女はいつも、学校に来ては目の下にくまをつくらせていた。
だからといって、授業中は眠ることはなく。
いつからだったか。
こんな日々が来るようになったのは。
教室の中は冷たい笑い声が彼女を覆(おお)い被(かぶ)す。
何もできないぼくに彼女は無力さと絶望を教えてくれる。
時折、彼女の睨む目にびびる。
ただ、彼女はひとりぼっちで全てを背負い込んでぼくにも何も言わずに。
彼女はいってしまった。
ひとりぼっちで寂しかったろうに。
何もできなかった。
ああ、結局ぼくは何もできない。
彼女を失ってはじめて気が付いた。
彼女と話した日々。
彼女の笑顔。楽しい時間。
そうか。ぼくはどうしようもなくきみが好きだったんだ。