三つ編み少女
□三つ編み少女 壱
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三つ編み少女は自分が嫌いだった。
人と仲良くできない自分も、愛する人を支配したいと生まれる気持ちも。
外見も内面も、声も体も欲望も。
すべてが大嫌いだった。
いつも何もできないことを自分のせいにした。
なにもかにも世界の人々が不幸になることは、嘆き泣き悲しむことはすべて自分のせいだと思った。
自分が生きているせいで、人が悲しむことが嫌いだった。
自分が生まれてきたせいで、誰かが傷付いてしまうことも。
生きることは死ぬこと。
愛することは傷付けること。
ほら今だって世界の中じゃ、誰かが死んでいる。
私が生きているせいで。
ああ、自分が生まれて誰かが傷付くのならいっそのこと、生まれてこなければよかった。
私が生きていて、誰かが死ぬのなら。
その逆だってあるはずだ。
ああ、これで誰かが代わりに生きてくれる。
今日も世界は回ってる。
さようなら。
無理やり閉じる世界にいった。