拍手(clap)集

□自傷行為と夢
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眠れない。

今日も夜が明けるのを目にするのだろうか。


寝たくない。

寝ると、あの嫌な朝が来る。


朝が来ると、学校に行かなければいけない。

それが、嫌だ。


いつも朝が来るのが嫌だった。


深夜に起きた地震で物の下敷きになって、死んでいないのかな。とか

眠ったあと、何かの病気で目覚めないかなとか。

そんな事を考えるようになった。


ニュースを見ると、幼い子供が事故で死んでいる事が挙げられている。

その子供の親は良い子だったと涙ながらに訴える。


それを見ると、なんで私は生きているのだという思いになってしまう。


なぜ私のような人間が生きて、私よりも尊い命を奪うの?神様。


私を殺してよ……。



その時、私は私が生きると誰かが死ぬのだと悟った。


別に間違いでも、狂っていても良かった。


私にとっては、それが正しいのだと思い込まなければ、この気持ちの行き場がなかった。


昔は寝ると、朝が来るものだと思っていた。


寝たくもないのに睡魔は私を襲って、嫌な世界へと連れ去っていく。


いつも出てくる日の出が私を笑ってる。ざまあみろって。


でも、眠れなくなって夜を過ごすうちに、朝なんて寝なくても来るのだと知った。


その時の落胆は言い表せない。


わかっていたんだ。

でも、そうじゃないと思いたかった。




たまに眠れなくなった。


眠ると嫌な夢を見るようになった。


教室という狭い空間の薄暗い中で、人が気持ち悪いぐらいにひしめき合っていて。


その中で私だけがその中の人達に指刺されて笑われているんだ。


私はただ涙を浮かべる顔を見せないように、うずくまっているんだ。


人の視線が怖くて、人のひそめき合う声と私を笑う心も。


全てが怖かった。
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