暁月
□act.5
1ページ/4ページ
あの後、クロロから旅団員全員に伝えられた今回の仕事のターゲットは国際図書館にある禁書全てであった。
メンバーは与えられた役割に沿ってそれぞれペアで行動する。
ウボォーギンとノブナガ、フィンクスとマチは特攻。パクノダとシャルナークは諜報。ボノレノフはアジトで待機し、フランクリンとコルトピは盗んだ禁書のダミーを作る。
そして、ノアは誰とペアかと言えば。
「ノア、お前はフェイタンと行動しろ」
クロロはこんなにも性格が曲がっていただろうか。いや、曲がっていた。
「え、やだ」
「こちのセリフよ。少しでも遅れたら捨てていくね」
隠しきれずに漏れた声にフェイタンの眉がピクリと動く。
だからこいつは嫌なんだ。短気め。
「わかってますよー。着いて行きますフェイタンさん」
「チ。いちいち癪に障る奴ね」
「え、なにそれ酷い」
軽く言葉を交わしただけでも伝わってくる。
こいつ、本当に私のこと嫌いだ。いや私もそうだけど。
「お前たちは陽動だ。特攻はあくまでも道を作る役割。上手く引きつけろ」
特攻とたいして変わらなくね? と疑問は浮かんだが、クロロがそういうのであればそうなのだろう。
ノアは肩を竦め、視線を斜め下の黒い物体に向けた。
「ま、よろしくお願いしますよ、センパイ」
「……チ」
そんなこんなで、フェイタンとの初任務のはじまりはじまりー。