暁月

□act.5
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あの後、クロロから旅団員全員に伝えられた今回の仕事のターゲットは国際図書館にある禁書全てであった。

メンバーは与えられた役割に沿ってそれぞれペアで行動する。

ウボォーギンとノブナガ、フィンクスとマチは特攻。パクノダとシャルナークは諜報。ボノレノフはアジトで待機し、フランクリンとコルトピは盗んだ禁書のダミーを作る。


そして、ノアは誰とペアかと言えば。


「ノア、お前はフェイタンと行動しろ」


クロロはこんなにも性格が曲がっていただろうか。いや、曲がっていた。


「え、やだ」

「こちのセリフよ。少しでも遅れたら捨てていくね」


隠しきれずに漏れた声にフェイタンの眉がピクリと動く。

だからこいつは嫌なんだ。短気め。


「わかってますよー。着いて行きますフェイタンさん」

「チ。いちいち癪に障る奴ね」

「え、なにそれ酷い」


軽く言葉を交わしただけでも伝わってくる。
こいつ、本当に私のこと嫌いだ。いや私もそうだけど。


「お前たちは陽動だ。特攻はあくまでも道を作る役割。上手く引きつけろ」


特攻とたいして変わらなくね? と疑問は浮かんだが、クロロがそういうのであればそうなのだろう。
ノアは肩を竦め、視線を斜め下の黒い物体に向けた。


「ま、よろしくお願いしますよ、センパイ」

「……チ」


そんなこんなで、フェイタンとの初任務のはじまりはじまりー。


 
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