暁月
□act.2
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翌日、アジトへと到着したノアはクロロに導かれるままに足を踏み入れた。
「アジトへようこそ」
目の前に広がった光景。瓦礫の上にいる団員達。
「わ、あ……」
「ん? まさか……ノア?」
いち早く気づいたのは和装に身を包んだ女。
「マチ!」
ノアも目を輝かせて手を振る。それと同時に、各団員がノア達の近くに寄ってきた。
「わあ、ほんとにノア? 美人さんになったね!」
そう言ってにっこりと笑う金髪の男性は、たしか。
「シャルナーク、だよね。えへへ、ありがとう」
かく言うシャルナークも、随分と格好良くなっている。
なんとなく気恥ずかしくてそう返せはしなかったけれど。
「しっかし、団長に子育てが出来たとはねえ」
「それは一応評価したという前提での言葉か? ノブナガ」
有無を言わさぬクロロの言葉に、ノブナガは豪快に笑った。
「たりめーよ。あの時の餓鬼がこんなになるなんてなあ」
「ほんとだよ。ノア、団長になにか変なことされなかった?」
そろそろクロロの目が座って来る頃合いだ。ノアは若干冷や汗をかきながら笑った。
「大丈夫だよ、わたしほら、まだ子供だし」
「全くだ。マチ、お前はそんなに馬鹿な女じゃないと思っていたんだが?」
「じょ、冗談だって」
マチや他の団員も察したらしい。
ノアは今になってあの言葉の意味を理解した。
ああ、”文句”って、このことか、と。
きっと、それだけではないのだろうけど。