jjba

□プロシュート2
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イタリアの由緒ある石畳を
歩幅の異なる(音の差も生じるわけである)4足2組が歩いている

空は既に暗くなっていっている
この時間帯は鳥目には辛い


「おいそんな目ツキ悪くしてどうしたんだよ」

「え、ああ、ごめんなさい。夜は盲になりやすいので」


恥ずかしいところを見られましたね、と苦笑うとふうんともへえとも言わずそのまま歩きつづけた

彼女が見つめていたのが遠くの、5店舗先程にあるGUCCIだと気づいた

nameはブランドに無頓着で対照的に俺はブランド雑誌を読みあさる


「新作のバッグ」


ピタリと立ち止まる
nameも眩しそうにショーウィンドウを見つめる
プロシュートが立っていると周りの女性が暖かいため息をもらす。
また同様にnameに対する異性の目も集まる


「もしかしてモデルのお仕事か何かしてらっしゃる?有名?コレクションのウォーキングしてたり?GUCCIなんて安いもんじゃないの」


上品なマダムなのは風貌だけでつっけんどんすぎる質問は彼には腹立たしかった
身を寄せてきたので片手でひっぺがえした
片手に世界最上級の花があるのにラフレシアはいらない


「nameが美し過ぎるから」

「プロシュートさんが素敵すぎるから」


お互い間が空いてからぷっと笑い出す
彼は豪快に笑い、nameは目も口も弧を描く程度だった


「nameはブランドに無頓着だな」
「欲しいもんあったら何でも言えよ」
「少しはイタリア人男性らしくさせてくれってな」


彼は優しさを見せているが笑顔がすぐにふっと消えた、この温度差がたまらなく素敵であった

そうですねとやんわり、今後も身につけることはありませんよという意味合いをこめた。


「くせェこと言うと俺がブランドって言って欲しい?」

「メローネ」


二人のデート現場を目撃したメローネが背後からぬっと声をかけてきた

プロシュートは煙草をぷっと彼の足元に吐いた
彼の靴はどこのブランドか分からないがいいものを履いていた


「てめぇイイもん履いてんじゃねェか」

「ブランドもんには敏感だなアンタ。そうだよ」
「てかnameほどいい女見たことねぇなあ」

「だろうな、ねぇよなあ」

「もうお二人とも」


メローネはnameの腰を抱こうとしたが、歩幅が合わないもんだからやめたし、隣に眩しい彼氏がいるもんだからやることじゃないと思った


「この3人はたから見ればかなりの美男美女じゃないか?そう思うだろ。満更でもなさそうに」

「ハン。くだらねぇ」


nameは夜は盲になるが、
それでもプロシュートの満更でもなさ
そうな僅かな余裕そうな顔は見ることができた。

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