jjba
□ディエゴ1
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ディエゴ、もう起きていたの
「寝心地が悪いベッド」
「いつもこれで寝ているのか?」
「あなたの体は大きいから、私にはこれが丁度いいのです」
nameが腰掛けると、彼女の軽い体でさえも微妙に軋む音がする
昨日はここでよくセックスが出来たものだ
「ひとつ質問がございまして、」
うん
黙って頷いた。
髪を指で梳くと少しごわついていた
「この首元や太ももにあるアザは何です」
「何?昨日ここで何をしたか覚えてないのか」
「初めてだったからぶっとんだ」
「とんでもない、お止めになって。覚えておりますよ、恥ずかしいほどに・・・」
顔をそらす。
朝日が彼女の顔を血色よく照らす
「キスマーク」
ディエゴがそう言うと、
nameは復唱した。
初々しいことに、恥ずかしがって唇を結んで顔を俯かす
そんなnameが愛おしくて
抱き寄せた
あの温もりは最後
俺がスティールボールランレースに優勝して
誰よりも先にこの名誉を見せたかった
今になってだが、考えてみよう
nameは馬鹿だったんだ
何にも鈍い
動き
勘
背後
がら空きの背後
だからいつも俺は後ろから抱きしめていた
鈍い反応でまあ、と風の抜けるような弱い声で嬉がる。
俺だって嬉しかった
そんな背中を
誰かが髪をかっきって
背中を傷つけて
あられもない姿で
あの寝心地のひどく悪いベッドで死んでいた
残酷なのは、俺じゃなかった
@死体のないSBRRの話