おはなし 1

□溢れるありがとう。
1ページ/4ページ


濡れた髪をタオルで拭いながら、ベッドのそばにあるμ'sの写真を見て思い出し笑いをするんがウチのいつもの行動パターンってやつや。

お風呂から出てからこの長ーい髪を乾かすのが一苦労。

その間みんなのことを思い出しては笑ってまうんや。

こんなん、誰にも言えんけどな。

目を閉じるだけでみんなの騒ぎ声がよみがえる。

海未ちゃんが穂乃果ちゃんを叱って、ことりちゃんがまぁまぁと困って、そのそばではいつものようににこっちと真姫ちゃんが喧嘩していて、凛ちゃんが「またやってるにゃー」と楽しそうに笑って花陽ちゃんがおろおろして。

喧嘩ばかりなのにすごく仲良しやんな。

そんなメンバーを少し離れたところで見守るえりちとウチは、凛ちゃんいわくμ'sのお父さんとお母さんらしい。

お母さんはウチで、えりちはお父さんだって聞いたときは腹の底から笑てもうたな。

賑やかな子供達に囲まれて、パパもママも幸せやんな。

ふふっと笑っているうちにだいぶ乾いてきたから、さぁ、ドライヤーをかけてホッとミルクを飲んで寝よう。そう思って立ち上がると突然部屋にチャイムが鳴り響いた。

時計を見るともうあと三十分で日付が変わろうとしている。

こんな時間に訪ねてくる人なんていままでいなかったんだけど。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ