krkの籠球 3

□雨、からの
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『冷たっ』『傘つけられた〜』『マジで?やり返しなよ』『誰でもいーじゃん』

何と物騒な女子高生。

『傘でベッチョリ』をやられた仕返しを無差別攻撃でかえすとは…。
近くないから平気だろう…ひゃっ! マジかっ? 距離あったハズなんだけど!?

膝下に冷たい感覚。
しかも『ベッチョっ』てなったし、やや尖った感覚。
極めつけはひっかかって、そして嫌な感じの開放感。
身動きできない分、足に神経が集中する。

これって…
これって……

まさかのストッキング電線!?

あー!
もう泣きたいっ!!


流されるようにホームのベンチへ。案の定、結構な面積での電線。
こりゃあトイレで換えないとだわ…あー買わないとストックない。
踏んだり蹴ったりだわ。

どう考えても肩はがっくりと落ちるばかり。

確か今日のおはあさ占いは一位だったハズなのに……。

「Excuse me」

肩と頭を落とした私の視線にうつるは黒いエナメル靴。
結構大きい。声は若い男性のようだけど…なぜに英語?

顔をあげた先には赤髪の学生さん。
その制服は誠凛ね。

眉が印象的なイケメン…ただ、背が高いよ! 育ちすぎではないですか? く、首がっ。

「えっと…悪かったな、です」

はい? 私は謝られているのでしょうか。…って、微妙だけど謝られてる、でいいんだよね。

「火神君。あらましを説明しないと話が通じませんよ」

赤髪の彼の影にいたのか、いきなり別の学生さんが姿を現した。
赤髪の彼はカガミ君というのね。

「うっせえよ黒子! あー、多分俺のバックで足にscrachして困らせちまって悪かったな、です」
「すみません。彼は帰国子女なもので敬語があまり上手じゃないんです」
クロコ君と呼ばれた彼は通訳なんですか?
思わず二人に視線を向ける。

「困らせちまって悪い。どうしたらいい?」

「あー、別に大丈夫。心配しないで。それより学校遅れちゃうから行ってください」

内心オロオロだけど、ここは大人の余裕をもって接する。
まあ、『電線女に愚痴られて遅刻した』と言われても困ると思ったのも本音だけど。
さーて、このあとダッシュでコンビニ行って…。

「遅刻が困るのはお互い様です。立浪るうさん。すでに遅延の連絡と替えの手配はカントクにお願いしました。後は行くだけです」

は? カントクって誰? そもそも何で私の名前知ってるの!?

「さ、火神君。王子のごとくるう姫をお願いします。感動のあまり過度の抱きしめは禁止ですからね」

「うっせ! すまねえ。しっかり掴まっててくれ、です」
「はぁ?……!!!!!」

ひょいと体が宙に浮いて空中飛行…じゃない! お姫様抱っこされてます!!
ここ、朝ラッシュのホームですよ!? 見てるかは知りませんけど、十分に恥ずかしい!!
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