krkの籠球

□決めたら決め返す!?
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「おはようございます」

まどろの中、聞いたことのある声が覚醒を促す。

「んんーっ? えーっと、テツくん??」
「はい」
「なんでここに?」

とぼけた質問だと自分で思う。
だけど、寝とぼけた頭でここまで会話が成立するほうがすごいと思っちゃうのも事実なんですけど。

正直、寝起きです。まだまだボケーっと睡魔との攻防が繰り広げられています。服装もルームウェア(お気に入り)だし、顔も寝起きのすっぴんです。
普段はもう少しだけどお手入れぐらいはしてるかな……

ん? ちょっと待って!? なんでテツくんがここにいるわけ!!?

「おばさんに『起こしてきて』って言われたので」

読唇術ならぬ読心術が使えるんじゃないかと思われる彼は、淡々と言いました。相変わらずあえて感情をださない。

「ほら、そろそろ布団からでないと遅刻しちゃいますよ……?」

布団近くまで手を出して、起こしてくれるつもり…………、ええぇぇぇぇーーーーっ!?

「ちょっと待った! 仮にも女子のお部屋なんですけど? JKですよ!? 青春真っ盛りの瑞々しい果実ともたとえられる女子の寝室でそんな平静をよそおって居座れる意味がわかなんない!」

まあ、幼馴染といっても過言はないので、お互いの家を行き来することはままある。
お庭のビニールプールに入ったり、一緒の布団でお昼寝をしたこともある仲ではありますよ。けどそれなりのお年頃の女の子の寝起きなんて見て良いわけがない。、

「大丈夫ですよ。別によだれたらして寝ていたわけではないですし」
「ふざけんなっ! 部屋に入れる母さんも母さんだけど、とりあえず出てってよーっ!」

手元にあった枕やぬいぐるみを投げつける。
私だって女子バスのレギュラーだ。寝起きだからってコントロールはそう悪くないだろう。当たってもさほど痛くはないだろうけど、ぼすぼす当てられるほうは地味に嫌だろうな。
一緒にいる期間が長いから、私にはミスディレクション通用しないし。

そして手元にある最後の1つに、恥ずかしさのあまり余計な力を加えてしまいました。
ついついイグナイトもどきを。

ボスッ!といい音を鳴らしてテツくんにヒット。


「こんなに柔らかいものでもイグナイトの効果はでるんですね」

ふーん、と感心したかのように言葉をもらすけど、そのまなざしは完全に獲物を狙うときの獰猛な肉食獣の視線なんですけど?
背中に嫌な感じの汗が背中を伝いました。

「ご、ごめん……」
「とても良く力を込めた一撃でした。僕でも反撃したいと思わせるような」
「えっと、テツくん。クロコどころかオーラがブラックなんですけど?」
「そうですか? ところで僕にイグナイトを決めましたね」
「モドキですけど」
「でも決めましたよね。お返しに、朝から不健全な感じで申し訳ありませんが、健全な男子高校生の衝動を……」

「丁寧に言ったってダメです。下ネタに走るならとっとと出てってください!」

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なんだかんだ言っても黒子っちも健全男子♪

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