薄桜鬼_短いもの

□言ってみよう!_LAST 新八さんの場合?
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お団子の包みをもってお店を出たときには、既に陽は傾きはじめてて、とっとと屯所に届けにいかないと今日も屯所泊まりになっちゃう。(←宴会とかになっちゃうと泊めてもらうんですよ)
大変大変とつぶやきながら足を速める。
視線の先に浅葱色の羽織を纏った一団が同じように屯所を目指してます。本日の巡察はどこの隊かな?


「いよぉ、るうちゃん」
「あ、今日は新八さんと平助君の組が昼だったんだ」
「そうなんだよ。土方さんももう少し組み合わせを考えてくれないとさ。新ぱっつぁんと一緒だと喧嘩成敗が多くなるから大変なんだよな」

平助君がむくれた。どうやら今日もそんなことがあったらしいですな。

「何言ってやがる。今日だって『ちょっとごめんよ!』って先陣切った魁先生がよ」
「ひっでぇ」

この二人を見てると大きな問題は何もなかったことが良くわかるよ。京の治安は守られてますな。うんうん。

「ところで、今の時刻に屯所に寄るってことは今日の夕餉はるうが作ってくれんのか? ちょうどいいな。うん、ついでに今日は泊まってけよ」
「いいもん届いてんだよ。泊まってくよな」
「ちょっとー、明日は朝早くから用があるから帰りたいんですけど」

人の都合を聞いてるはずなのに、そんなお日様顔でニカッと笑って誘わないでくださいよ。断りづらい雰囲気になっちゃって困ります。
っていうか同じ町内(一応、連絡先として伝えてる場所のことね。別にねぐらはそこに限らないんで居住地では半分ないけど)ではあるかもしれませんが、若い娘(!?)が男所帯の屯所に頻繁に出入りしてるあげくに朝帰りって……アンタ、私を女だと(若い娘って意味で)思ってないでしょう。

ふつふつとわき上がるこの情熱的な感情は何かな。この瞬間、今回のお相手(という名の犠牲者)は新八さんに決まりです。さて、どうしてやろう(←すでに山姥のように黒いっ!!)

「な、いーじゃん。今夜は土方さんと近藤さんも会合で出かける予定だから安心だしよ」
「思いっきり騒いでも大丈夫だぜ」

幹部棟とでも呼ぶべき場所の廊下で話をしているからいいものの、話を平隊士に聞かれたらこっちの身が危なくなることを少しは考えてほしいもんだわ。

「ふぅ……。わかりました。じゃあ先にちゃんと土方さんか近藤さんに許可とってくださいよ。あとからねっちり怒られるのは嫌ですからね」
「やったぜ。これで美味い肴つきだ!!」

おい、やっぱり酒の肴要員かよ。絶対に残飯的な何かにしてやる。

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