薄桜鬼_短いもの

□言ってみよう!_6 沖田さんの場合
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一君が倒れちゃったので、とりあえず誰かに伝えておかないと…… 

「こんなところで何してんの?」

「にゃっ!!?」
びっくりして変な声がでちゃった。

あ、うってつけの人なのか、微妙に困った人に見つかっちゃったのか……な?

いつのまに来たのか、沖田さんが道場の入り口にもたれかかってこっちを見てました。
気配を消して覗いてるのもどうかと思うけど、何気に『何かやらかしそう』なオーラをまとってます。どうやら彼の『楽しいことあるかな網』にかかってしまっているらしい。

「驚かさないでください。気配消してるのも反則です」

めいっぱい不機嫌な声を出したけど彼にはまったく響く気配なし。

「えー、だってるうちゃんが一君を押し倒しちゃったんだよ。そのあとどうするのかがものすごく気になるじゃない」
素手で一君倒しちゃったんだよ〜、なんて楽しそうに、そりゃあ楽しそうに笑いながら、倒れてる一君の顔を覗き込む。

「はーじーめくーん。いつまでも寝てるとるうちゃんがつまんないって」
「って、沖田さん何いってるんですか。しかもなんで斉藤さんの着物を脱がそうとするんですか!」
「えー。だってせっかく押し倒したんだから、るうちゃんも一君に何かしようとか思ってるのかなって。るうちゃんは襲うほうがいい? それとも襲われるほうがいい?」

ぎくっ。そんなに『楽しそう』とか『うれしそう』な顔はしていなかったハズなんですけど。

「な、なんでそういう考え方になるんですかぁ」
「そうじゃないの? せっかく押し倒したんだから、もう少し楽しんでおくかなって。僕なら思うから?」

……っておい、自分基準ですか。ああ驚いた。

「そんなにあからさまに『ホッ』とした顔しちゃだめだよ。図星だってわかりやすすぎ」

ギクッ! いまのはひっかけだったんでしょうか。


沖田さんはいたずらっ子そのままに大笑いした。
何だろう……

……
…………
………………すごく悔しい。

「君ってやっぱり面白いよ。期待通りの反応するなんてできすぎ」
まだお腹をかかえて大笑い。その上「お腹が痛いぐらいだよ」なんて言われちゃったら、もう!

打たれたままでは終われないですよ。
とりあえず揺さぶれるかどうか確認が必要ですね。
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