薄桜鬼_短いもの

□言ってみよう!_2 平助君の場合
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気を取り直して……。
癒されそうな平助くんに言ってみよう。あ、いたいた。

「ヘー助くーん」

「おっ久しぶりじゃん」
うっ。ご無沙汰になってしまっているのを指摘されたような気がします。心臓にちくり。
そして、これからする行為に良心がちくちくと痛む気がします。ごめん、先に謝っておくね。心の中でだけど。

「どうしたんだ? 誰かに用か?」
ちくちくだけでなくザックリきそう。悪気はないのかもしれないけど、介錯されそうな勢いです。

「違うよー。誰かじゃなくて、平助君トコに来たんだよ」
「え? 俺ェ!!!!」
語尾が震えて半音上がって……なんて良いリアクションなんでしょ。

「俺なんかやらかした?」
「いや別に何も。なんか言えなくて心苦しいこととか、やましいこととかあるの?」
何か自爆(自白?)してくれそうだから待ってみよう。わくわく。

「べ、別に何もねぇよ」
その慌て方からして何かあるんだよねぇ。じーっと目をみてみる。

「……」
「(じー。1分ほど経過?)」
「……わかったから、そんなに見るなよ」
観念するの早くない? さすが少年はこらえ性がない。ぶぶぶっ。

「……すまねえっ!!」
「へ?」
「お前がこっち見てないと思って、非番の日に新八っあんと花街行ったし艶本も買いました!」
「……ふっ(なんだそんなことか)」
「『ふっ』ってなんだよ。そんなことは知ってるってのか?」
「顔真っ赤なんだけど、大丈夫? そんなに激しく頭振ったらクラクラきちゃうし」
まったく、見た目はどうであれ、成人男子が中坊みたいな行動してしょうもないなぁ。買った艶本は布団の間に挟んで隠してるんのかな。
花街に行って実地で経験してるんだから、わざわざ艶本なんて買うよりも、そっち系の道具とか買った方が刺激あると思うんだけどねぇ……とは口が裂けてもいえないけど。
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