薄桜鬼_短いもの

□言ってみよう!_1 土方さんの場合
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「失礼しますね、土方さん」
執務室と勝手に呼んでいる土方さんの自室にうかがいました。今日は在室だということは調べ済です。
ああ、やっぱり今日も机に向かって何やら書き物をされていらっしゃいます。

「あぁ? 何しに来た」
予想通りに面倒なのが来やがった的な表情をされました。
「遊びに?」
「帰れ」
即答ですか。ひどいです。
「そんなにつれない言い方するとひどい目にあっちゃいますけどいいんですか?」
ここはとりあえず作家(みたいなもの)権限をひけらかしておきましょう。

「いつものことじゃねぇか」
顔も上げずに鼻で笑われた感じに言われました。さすが副長ですな。
でもここで負けてはいけないですよね。
「危険な作品の餌食になりますけど?」
できるだけ上から見下ろす感じで沖田さんを見習って言ってみました! 副長が顔を上げていないのでできる技です。

……後悔しそうです。黒いオーラがちりちりと出てきて、土方さんのこめかみがピクッとしてます。

振り向いたその表情は……怖すぎです。

「んだと?」

ひくーいお声。このお部屋は今極寒地獄のようです。背筋がぞわんと冷たく、変な汗が伝ってます。

「遊びに来たって言ってたな。このクソ忙しい俺にそんなことを言うとはいい度胸だ。何をたくらんでる」
壮絶に美しい顔が近くに、嗚呼ぁぁ。怖さ倍増中。

一番手に副長を選んだ自分を呪いそうです。
でも気を取り直して手は握りこぶし!!

「お伺いしたことがありまして…」
「遊びじゃねぇのか?」
「『遊び』ですよ。だけど真剣にこたえてくださいね」
「わかった。だが一辺きりだぞ」

一度だけでも構っていただけるようになりましたので、深呼吸してさっそく……うふふん
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