krkの籠球 3

□おかえり 【紫原】
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「ただいま……あれー? るうちん、どうしたの?」

いつもなら既に夢の中にいる時間だというのに、リビングに紅茶を飲んでいるるうの姿があった。

今日は取引先との面倒くさい『お付き合い』とやらのせいで帰りが遅れた。
今日の予定については既に恋人であるるうに伝えてある。というより、彼女が俺に伝えてきたんだよね。お店のマネージメントにかかわってるから。

正直、そういう『お付き合い』とかって面倒くさいから嫌い。
るうが同行するなら少しは楽しいけど、ちょっと別の用があるからって一緒じゃなかった。
つまんないよ。

帰りが何時になるかわからないから先に寝ててね、って言ってあるからもう寝てるだろう。
何せ21時を過ぎるとどこであろうとウツラウツラと船をこぎ始めるお子ちゃまなんだからさ。

なのにリビングにいた。

「おかえり敦。お疲れ様」

にこっ、と口元は笑ってくれるけど元気ないみたい。

「何かあったの? 誰かに何かされたの!?」

回り込むのも面倒で、ソファの背もたれ側からるうちんを抱きしめる。
誰がるうちんに意地悪したんだよ。そういうことは俺しかやっちゃいけないのにっ。

「誰がやったの!? ヒネリつぶすだけじゃ足りないけど俺はやるよ!」

誰かが俺のるうちんに手を出すなんて許さないんだからねっ。
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