krkの籠球 連載

□猫を拾う3【赤司】
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俺が拾った猫は黒い毛並みの美人だ。
『猫』にこういう表現はどうだかと思うが、濡れネズミだった姿とは雲泥だった。
雰囲気から美しいだろうと思っていたが、あまりの変貌に俺ともあろう者が息を呑んだね。
嬉しい誤算だよ。

さて、名前はどうするかな。
本人から聞ければ一番だが、今のところ口を開くことはなさそうだ。
だとすると新しく名付ける必要があるだろう。

単純に『黒い子』だから『クロコ』というのはテツヤとかぶるし、緑間か黄瀬あたりに『安易すぎるのだよ(すぎるっス)』と言われるのはあまり喜ばしいことではない。

黒い毛並みが美しい子。
気高い風情が高貴さを感じさせるね。口をあまりきかないのもミステリアスだ。

「そうだな……月がない雨の夜に出会ったから…仮に『かぐや』としておこうかな。君の名前がわかるまで名前は今『かぐや』だよ」

美しく艶やかな黒毛をなでて名を伝えた。

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