krkの籠球 連載
□猫を拾う2【赤司 猫side】
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雨の夜だった。
行く当てもない私は、少し雨足が強くなってきたので雨宿りの場所を探していた。
今日の昼間、これまで住んでいた家を追い出された。
理由は『ご主人様に新しい相棒ができた』から。
『古い相棒』である私は不要と言い渡されて追い出されてしまったのだ。
玄関で鳴けど叫べど二度と私の前にある扉が開くことはなかった。
どのくらい扉の前に座っていただろうか。もう自分のために扉が開くことがないのだと思いその場を立ち去った。
既に小雨が降り出していた。