krkの籠球 2
□どんなのがいい?【秀徳バスケットボーイズ】
1ページ/1ページ
どうも。高尾和成です。
まるで某ファンの集いに迷い込んだのかと錯覚するように、俺史上最高のアイドルグッズに取り囲まれています。
こういうのって、コンサート会場の物販のほかには秋○原の専門店とかで取り扱ってんのかな。写真とか、いったいどこから取り出してんスか大坪サン!
真ちゃんが大坪サンにアイドル応援グッズをラッキーアイテムとして借りたことから、宮地サンも交えて『彼女たちがどんだけ可愛いか』の力説を拝聴することとなってしまった。
だんだんとお二方のテンションが上がっているのに、真ちゃんは相変わらずのポーカーフェイスモード。ったくブレねぇwww。
「やっぱ女子としてのみゆみゆは最高だってこと。それは理解してるよな。彼女の今回の総選挙での快挙がそれを表しているってことだ」
「いやいや。マミリンの愛くるしさはもはや神だ」
正直俺はああいう『多種多様なのを入れておけば、その中に誰か好みがいるだろう』的なお仕立てアイドルグループには興味ないんだけど、そう大きな声じゃいえないじゃない。これでも和成は空気の読める子よ♪
「おい高尾。お前の推しメンは?」
宮地サンにそう言われても返事のしようがない。
「えっと、申し訳ないんですが、あのグループでの推しメンはいないですねぇ」
「なんだと!? ここまで俺と宮地が語ったことを無にするつもりか?」
大坪サンもこえぇぇ!! 温厚だと思っていたのにこんなに威圧感を醸し出すとは。やっぱ主将だよ。宮地サンをまとめられるだけの人物だよ!
「まあまて。高尾の意見も聞いてやろう。で、どんなのが好みなんだ? 言っておくがみゆみゆは渡さねぇ」
……大丈夫です。求めません。
えっと。
「……俺は、『キレイなお姉さん』系が好きかなぁ。色っぽい感じなんかも捨てがたいかも」
「じゃあ、女優の仲間ユキみたいな感じか?」
大坪サンが美人女優として名高い人物の名前を挙げてくれた。ドストライクではないけど、いいところ行ってる。
「年上好きなのか。お前、妹がいるくせに弟属性希望?」
何とでも言ってください。
「じゃあ緑間はどうだ」
相変わらずのミスターマイペースは話に加わるでなく、アイドルアイテムの解析に集中しているようだ。
そして、そこから目を離さずに一言。
「興味ないのだよ」
「そんなこと言って、この間だって下駄箱に手紙が3通ぐらい入ってたじゃねぇか。ラブレターなんだろ?」
なんだって!? 真ちゃんまたラブレターもらったのかよ。今月だけで何通目なんだよ。
「見知らぬ女性より無言で届いた手紙など開く必要がないのだよ」
「ナマイキだ! 木村、軽トラ貸してくれ。こいつ轢く!!」
「おう!」
だから轢いたら困るって。真ちゃーん。空気読もうぜぇ。
その後も『アイドルは神推しが超理想』と二次元に逃避したような発言から宮地サンと大坪サンが盛り上がり、見回りさんに帰れと言われるまで騒いでいた。
そんな大騒ぎの中でも、真ちゃんは明日のラッキーアイテムを周囲がドン引くまでうっとりと見つめていた。
********
後日『これを見てよく学習しておけ』と某アイドルがカードゲームとなったもののスターターデッキが宮地・大坪の両先輩より高尾へ届けられた。
パスワークや外周中に抜き打ちでその中の情報を問われ、回答ができないと練習量追加の罰ゲームのような練習が課されているので、今日も必至に情報を覚える高尾の姿が確認されている。
余談としては、
定期考査もそのぐらい必死にやれば成績があがるのだよ。とは相棒の緑間の正論すぎるお言葉がある。